2006-01-01から1年間の記事一覧

昭和憲兵史

みすず書房。大谷敬二郎という旧軍の憲兵大佐の著書です。 この人の文庫「憲兵」が面白かったので思いきって古本屋で買いました。絶版してるので仕方がないのですが、4000円くらいしたので財布にアイタタです。amazonをみると12000円もしてい…

アウシュヴィッツ収容所

講談社学術文庫。 著者はルドルフ・ヘス。と、いっても副総統のヘス(HESS)ではなく、別人。(HOESSとつづる。オーウムラウトの出し方が分らないのでoeとしておきます。) 著者はアウシュヴィッツ収容所の所長を務めたSS隊長団(将校)の一員です。まさに虐殺…

沢木興道聞き書き―ある禅者の生涯

禅者沢木興道師の子供時代から駒澤大学の先生になるまでの、エピソードの聞き書きを酒井得元師がまとめたもの。 講談社学術文庫。 学術と言うよりは、宗教書である。 内容は堅苦しくなく実に面白い。 面白くていて、それでいて宗教書である。 禅者は自力解脱…

今村均回顧録

今村均について少し知りたくなり、文庫を読み始めたら、興味と疑問が次々と湧き、ついに回顧録を読破してしまった。 いい読書経験だった。回顧録というジャンル自体ほとんど興味がなかったし、主観的な主張を容喙して頭に自分なりの理解を得ると言う作業は煩…

砕かれた神

岩波現代文庫です。元は朝日新書に入っていたのが絶版になり、岩波現代文庫に移りました。 この本は出征した少年兵が帰郷し、苦しい戦後を生きて行く中で天皇制に疑問を抱き、主体的に考え行動することは何かを学んで行き、人生を選択して行くという内容です…

イギリス貴族―ダンディたちの美学と生活

イギリス貴族ってなんだかいい響きです。 草原に横たわる広大な領地、古風にして上品な城塞、狐狩り、華麗なロンドン社交界・・・。 「人民からの搾取による不当な浪費だ!!」 と、柳眉を逆立ててみてもよいでしょう。本当ですから(笑)。 でも、魅力はあ…

室町時代の一皇族の生涯 『看聞日記』の世界

この本は書店で眺めて「ほしいな」と思いつつ、金欠や積ん読の多さにめげて手を出さずにおいてそのまま題名も忘れてしまっていました。気にかけていたのですがなかなか見つかりませんでした。 でもある時、ふと、大型書店でみかけて思いだし、「これだ」とば…

イエメン もうひとつのアラビア

私の愛読書です。たぶん古本屋で手に入れたと思うのですが、もう忘れました。 確か、ブックオフか何かで「あれ、よさそうだぞ?」と立ち止まってぱらぱらめくり、「これは・・・!」と思って家で読んではまったと言うパターンだった気がします。 確認してみると…

怪帝ナポレオン3世

ナポレオン3世、第2帝政の主。運と血筋だけで上り詰めて、盛り上がるドイツ帝国の興隆の前にあえなく失陥した男。 ナポレオン1世とは対極的な評価をされがちなこの人物を「じつは社会的分配の公正のための戦いに一生をささげた大政治家だった」と「読み替…

ローマ帝国愚帝列伝

講談社選書メチエです。このシリーズは入門書っぽい雰囲気でありながら、なかなかうならせる作品もあり、侮れません。 著者は文部省教科書調査官と言う固い仕事のかた。 内容は著者(あとがき)によれば「読者を最後まで飽きさせない面白い本を」と編集者か…

少年裁判官ノオト

地元の図書館に買って貰って読んだ。この本は無理すれば自分でも買えそうだったし、手元にも置きたい感じがしたのだが、あえて図書館に頼んだ。人にも読んで欲しい感じがしたのだ。 この本の著者、井垣康弘氏は、神戸家裁を約1年前に退官した裁判官である。…

ラブロマ

このコミックはなかなかにノスタルジックで癒されます。 そして、コミュニケーションの対立の統一と闘争が非常に巧く描写されており、うならされます。ギャグは通俗的(記号文法的とも言える)で絵柄もソフトなのですが、よりよきコミュニケーションを求め合…

民法案内

昔から愛されてきた、我妻榮先生の民法案内。その後も名だたる大家が大先生を継いで補訂を続けています。 御本人は学生が大学の先生の講義を聴く前に予習として用いるとよい、とおっしゃっています。正確な地図は概して分りにくく、却って観光地の案内図のよ…