武富士の闇を暴く

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 扉絵があったので楽天で紹介してみた。
 
 この本を紹介したのは、2010年9月28日に大手消費者金融武富士会社更生法を申請し、事実上の倒産をしたことに些か感じ入るものがあり、メモ的に書いておこうと思ったからである。目次を引用しておく。

 第1章 「お客様第一主義」の嘘八百 過剰融資と違法取立て
 第2章 異常な労働で社員も泣いている
 第3章 武富士の素顔に迫る
 第4章 武富士との闘い方
 資料 武富士に関する裁判例
 付録 武富士用語集

 この本は、武富士の異常で反社会的な経営の内実を暴いた記念碑的な著作である。まさに、この本で武富士の闇は暴かれた。その闇は、武富士の総帥、武井保雄が社内オンラインを通じて、如何に異常な売上至上主義を社員に強制し、法すら踏み破るに躊躇させない恫喝をしたかが余す所なく記されている。
 債務者の親で保証人になっていない第三者に弁済を承諾させる違法な手口や、資料も相当に充実しており、消費者金融に対する過払い訴訟を大きく広げてゆくひとつのきっかけとなる本でもあった。

 借りた側は弱い。単なる取引の当事者と自分を思えず、恩につく。そこを狙うのが消費者金融であり、利息制限法上の利率を超える高金利での契約であった。運動は最終的に、利息制限法の利率と刑事罰を伴う利率と一致せしめ、勝利を収めた。

 違法な暴利は許さないという運動は、思い込みではなく、道理を持った追求で、違法な収奪は跳ね返すことができるという、大きな成果を得た。
 資金流動性を言い訳に、高金利を当然とする論調があるが、この本を踏まえれば、金利に制限がない世界とは、どう言う世界なのかがよくわかる。それは、如何にごまかしても、むき出しの収奪なのだ。
 
 武富士は、あえていてば、この事態を受けて、歴史と化すべきである。すなわち、歴史の汚物処理場へ、この闇は消えてゆくべきなのだ。更正などせず、破産して消え去る世に存在する価値のない犯罪会社、それが武富士である。